あわあわあわしろさん

今日のしろさんは朝からお出かけした。

僕は「行かないで」と玄関まで追っかけたけど、行ってしまった。

僕は薫さんとお留守番することに決めて、薫さんにひっついて丸まって眠って。

 

匂いがした。しろさんが帰ってくる匂い。

僕にはわかる。しろさんがもうすぐ帰ってくる。

 

「疲れたー、暑かったー、傘が邪魔だったー」としろさんが帰って来た!

やっぱり!僕はしろさんが大好きだ!

クンクンお出迎えする。

 

それからしろさんは、紙とペンを持ち真剣な顔をして、また僕を放ったらかしにしている。

ペンの色が変わった。赤かな。

○○☓○☓・・・?

 

「マズイ、やばい!全然解けなくなっている!油断していた!やばい、もう一度本気で勉強しなくちゃ・・・」

しろさんが、いったりきたり。あわあわしている。

「大丈夫だよ」

って薫さんの声掛けにもうわの空であわあわしている。

 

【試験】があるんだって。【試験】ってなんだろ。

美味しいのかな。

 

「集中して勉強しよっと」と僕の嫌いなお風呂に向かったしろさん。

 

あわあわが続いて、僕の声にもうわの空で、僕の嫌いなお風呂に入って。

そんな毎日大嫌いになりそう。

 

【試験】大嫌いになりそう。

噛み付いちゃおかな。ぺろぺろ攻撃しちゃおかな。